開発初期の最大の課題はとても単純でした。2台のデバイスを正しく接続できるかどうかです。それが安定してできるようになると、次の難しい問題が見えてきました。誰がどの端末へ接続しているのか、そして技術的な設定画面だらけにせず、その仕組みをどう分かりやすくするかという問題です。

そこでMyDeskViewerでは、デバイスとユーザーの「識別」を整理する作業が始まりました。単純なデバイスIDは良い出発点でした。接続したいPCを短い識別子で指定できるからです。しかし日常的に使うためには、アカウント、登録された端末、設定の保持といった仕組みが必要になりました。

この部分は何度も作り直しています。ログインは簡単であるべきですが、セキュリティ上のルールを省略することはできません。どのアカウントで利用しているのか、どの端末を選んでいるのか、そのセッションが許可されたものなのかを明確にする必要があります。画面上は数個の入力欄とボタンに見えても、内部ではログイン成功・失敗、セッション期限切れ、ネットワーク切断、再認証など多くの状態を扱います。

その後、Googleアカウントでのログインや、メールアドレスとパスワードによるログインも追加しました。重要なのはボタンを増やすことではなく、どの方法を使っても同じ一貫した安全なアプリセッションにつながることでした。

この作業を通して分かったのは、リモートデスクトップは画面転送から始まるのではないということです。その前に、本人性、信頼、そして「誰がこのデバイスへアクセスできるのか」という答えが必要です。

今ではログイン画面は当たり前の部分に見えますが、MyDeskViewerを内部ツールから製品へ近づけるうえで欠かせない大きな工程でした。